島根県出雲市の結婚式「楽譜のない音楽会」- 挙式編 –

 

市場の人たちが見守る、
「くるみ市」はじめての結婚式

 
おふたりが選んだ会場は、もともと順也さんが知っていた
地元の市場「くるみ市」。
 
「ホテル」や「結婚式式場」とよばれるところではなく、地元の人がゆきかい、暮らしの延長の中にあるような場所です。
 
保育を専攻していたこともあり、
口に入れる食べ物の大切さを感じていた典子さんは、
自分たちの結婚式でも、地元の新鮮な野菜を
美味しく調理して食べられたら…という強い想いがあったそう。
 
この市場はご家族で経営されていて、
どっしりとした手作りの丸太小屋には、地元の農家さんのお野菜やお魚など、とれたての新鮮な食材が集まります。
併設の娘さん夫婦が営むパン屋さんには、焼きたての天然酵母パンが並びます。

  

 
併設する”ぶどうハウス”は、貸しスペースとしてライブなどのイベントが開かれてきたものの、「結婚式をするのははじめてなんです」と社長さん。
 
市場で働く方々も、かわるがわる覗きにいらしては、「え~!こんな素敵になるんだぁ」と目を輝かせて。
 
 
 

人前式は、誓いのお手紙で

 
この日のドレスコードは「白のトップス」。
受付の皆さんは、カラフルなスカートを合わせてナチュラルな雰囲気。
ほどよいカジュアルさに、ゲストの皆さんもリラックスした様子。
 
 
市場に面した広い広いお庭には、手作りのブランコ。そしてシンボルのような大きな木には三角の白い布をつらねて。
地元の方や子供たちも、日常のなかへと突然現れた結婚式を そわそわ、見守る中
いよいよ、結婚式がはじまりました。
 
 
 
ゲストの手から1束ずつ花を手渡され、はにかみながら登場した順也さんのもとへ、
新婦の典子さんがご両親と両の手をつないで歩みを進めます。
 人前式は、こんなあたたかな演出ができるところが魅力です。
 
 
きっと幼い頃そうであったように、ご両親と両の手をつないで。

そうして、順也さんとしっかりと握手を交わすお父様。

何十年と育ててきた娘が  ゆくとき、それはどんな気持ちだろう。
まだ子供が小さな私には 想像しきれないけれども、胸の奥に切なさがあるのは 確かにわかる。

 
しゃぼん玉が人を縫うようにのぼりゆくなか、始まった誓いのことば。


「いつでも手を触れられるほど
 近くにいてくれるあなたを大切に、
 ともに笑い優しく包みこむ幸せを、
 一緒に育んでゆこう。」


 
それぞれに読み交わした手紙は、
ていねいに育まれてきた優しさに満ちていて
 
「 このふたりなら大丈夫 」
心からそう思いました。
 
 
 
大きな庭のまんなか、全員がぐるり手をつないでひろがる輪。
バンザイとともに、「おめでとうー!」の声が青空に響き渡って。
 
大人になるとバンザイすることなんてとんとなかったけれど、その姿はとても幸せで、日本らしい習わし。
地元の人たちにも拍手と笑顔があふれました。
 
 
 
 
>>島根県出雲市の結婚式「楽譜のない音楽会」- パーティー編 – へ続く

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