卯月 -4月- 時候の挨拶

春満開の4月です。
4月と言えばやはり桜。
儚い印象のソメイヨシノが散ると、あでやかな八重桜が見頃を迎えたりと、
短い期間ではありますが、私たちの目を楽しませてくれます。
散った花びらを集めて押し花にするのもいいですね。
塩漬けにして色々な料理にあしらうのも、
食卓が華やいで季節を楽しむことが出来るかと思います。

婚礼においては、「茶を濁す」という言葉が、
「その場しのぎで取り繕う」という印象を与えてしまうということで、
緑茶の代わりに塩漬けにした桜を湯に入れて、「桜湯」として出す慣習もあるそうです。

そんな4月の時候の挨拶について、詳しくご案内いたします。

4月
陽春の候/仲春の候/春粧の候/春風の候/
春和の候/春日の候/花信の候/春爛漫の候/春暖の候/
春もたけなわとなりました/満開の花に心も浮き立つ今日この頃/
うららかに春風も心地よい頃/うららかな好季節を迎え/
うららかな春日和の頃/花もいつしか過ぎて葉桜の季節/
若草もえる季節/かげろうもえる季節/

「春」という漢字が入った時候の挨拶が数多くございます。
「陽春」は春の盛り、「仲春」は春の中頃ということ、
「花信」は花が咲いたという便りを意味します。
地域や時期に合わせておふたりのお好きな言葉をお選びいただければと思います。

地域によってもちろん異なりますが、
5月が近づいてくると徐々に日差しも強さを増し、緑も青々としてきます。
そんな時期には「若草もえる季節」や「かげろうもえる季節」などが、適切ではないでしょうか。

春の香りを鼻や舌で味わうように、季節を楽しみながら時候の挨拶をお選びいただければと思います。